ニコチン依存症

喫煙は,がん(肺がん・喉頭がん・食道がん・膀胱がん・子宮頸がん),呼吸器の病気(COPD),動脈硬化が関連する病気(心筋梗塞・脳卒中,末梢動脈閉塞),不妊や妊娠合併症の原因となります.多くの人がタバコが身体に悪いことを理解し,一度はタバコをやめようと思ったことがあると思います.しかし,禁煙に挑戦しても,つい吸ってしまい,なかなかタバコをやめることができません.それは,タバコに含まれるニコチンが,麻薬と同じような強い依存性を持つからです.

喫煙の習慣はニコチン依存症

タバコを吸うと,ニコチンが数秒で脳に到達し,快感を生じさせるドパミンを放出させます.ドパミンが放出されると,快感を味わうと同時に,またタバコを吸いたいという欲求が生まれます.その結果,また次の1本を吸って快感を得ようとします.この繰り返しが,「ニコチン依存症」になっていくのです.

タバコを吸うと,ニコチンの作用により快感が得られ,気持ちを落ち着かせることができますが,タバコを吸い終わってしばらくすると,逆にイライラが増えて落ち着かなくなってきます.これは,血液中のニコチンの濃度が下がることにり,ニコチン切れの症状,すなわち「離脱症状」が起きるためです.この離脱症状が,タバコをやめたくてもやめられない大きな原因になっているのです.

「禁煙のための治療薬」は,「離脱症状」を軽くすることによって禁煙を助ける「ニコチン依存症治療薬」です.

保険適用の内服禁煙治療薬

現在,禁煙のための治療薬には,飲むタイプ,貼るタイプ,噛むタイプの3種類があります.貼るタイプと噛むタイプの薬は,保険適応はなく,薬局でも買えますが,飲むタイプの薬は,禁煙治療のための施設基準を持つ医療機関でのみ,健康保険を使って処方することができます(平成21年8月現在).当院は,禁煙治療に健康保険が使える医療機関であり,飲むタイプの薬による禁煙治療を行っています.

内服禁煙治療薬の作用機序

内服禁煙治療薬(チャンピックス)は脳の神経細胞のニコチンが結合する部位(ニコチン受容体)に結合します

禁煙中に一服してしまったとき、タバコをおいしいと感じにくくする ニコチン切れ症状を軽くする
1. タバコを吸ってもニコチンがニコチン受容体に結合することができず,喫煙による満足感が得られません. 2. 神経細胞から少量のドーパミンが放出されるため,離脱症状を軽くすることができます.

禁煙治療を保険で受けられる人は?

次の4項目を満たしている人は保険適応となります.

  • 1.直ちに禁煙しようと考えている人
  • 2.TDSによりニコチン依存症(TDS5点以上)と診断されている人
  • 3.ブリンクマン指数(一日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
  • 4.禁煙治療を受けることを文書により同意していること
TDS

禁煙治療のスケジュールは?

禁煙治療のスケジュール
内服開始8日めより禁煙を開始します.
内服期間は12週間です.
禁煙がうまく行かない人、薬の副作用がある人は、2週間毎に来院していただきます.
禁煙に失敗した場合,初診日より1年以上経過しないと,健康保険による禁煙治療(再治療)は受けられません.

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